人間国宝秋山逸生による芝山象嵌の帯留めです。黒鼈甲に白蝶貝、珊瑚、黒蝶貝、等を立体的に埋め込む芝山象嵌独特の表現で一輪の白椿が描かれています。 金で「逸生」の銘が彫り込まれています。 40年以上前、百貨店の宝飾展で、 親がダイヤを買ってやると言うのを断ってどうしてもこれが欲しいと言い張って買って貰ったことを覚えています。 2～３度着用しましたが、以後家庭で大切に保存していたものです。自己検品した限りでは傷や汚れは見当たりません。 今回改めて調べてみて人間国宝の作だった事が分かりました。 伝統的な技術を用いながら、現代にも通用するデザイン性の高さは、作者の日本画への造詣の深さに依るものかと思われます。大切に身に付けて下さる方にお譲り出来たら嬉しく思います。 サイズ：4.8cmx3.8cmx1cm 素人による計測検品ですから、多少の見落とし、誤差はどうぞ御許しください。 プロフィールをお読み下さい。 以下参考 芝山象嵌とは別名「芝山細工」と呼ばれ、下総国芝山の芝山専蔵が起こした象嵌技法の事で、レリーフ状の彫刻と象嵌を特徴とした華やかな装飾技法で、その作品には様々な天然素材を組み合わせる事が多く、蒔絵や螺鈿とは違った面白さを持っているのが特徴です。 人間国宝秋山逸生(1901～1988) 東京都出身、本名秋山清 木工芸家・島田逸山に師事し芝山象嵌師を習う傍ら、兄・秋山聴古に木画技法、桂光春に彫金を学ぶ。 卓越した技で重要無形文化財「木象嵌」保持者として認められています。 市川市の無形文化財や名誉市民、千葉県無形文化財に指定 木画と呼ばれる繊細で華麗な作風に定評があります。 1901年　東京都で生まれる 1918年　木工芸家・島田逸山に師事する1942年　第5回新文展で入選する 1946年　第1回日展で入選する 1949年　第1回千葉県美術展覧会で千葉県教育長賞を受賞する 1962年　市川市指定無形文化財「芝山象嵌」保持者に認定される 1968年　第8回伝統工芸新作展で日本工芸会東京支部賞を受賞する 1970年　千葉県指定無形文化財「芝山象嵌」保持者に認定される 1981年　第28回日本伝統工芸展でNHK会長賞を受賞する 1987年　重要無形文化財「木象嵌」保持者に認定される 1988年　勳4等瑞宝章を受章する5月22日逝去